菜切庖丁なきりばうちやう)” の例文
平素ふだん女房かないにいたぶられてゐる亭主は女房の不在るすに台所の隅で光つてゐる菜切庖丁なきりばうちやうや、葱の尻尾に触つてみるのが愉快で溜らぬものだ。
勘次かんじ菜切庖丁なきりばうちやう取出とりだして、そのたか蜀黍もろこしみきをぐつとまげては穗首ほくびちかなゝめつた。勘次かんじとまつてみききふかへつた。さうして戰慄せんりつした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)