“草市”の読み方と例文
読み方割合
くさいち100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あしたが草市くさいちという日に、お雪はいつものように文字春のところへ稽古に来た。丁度ほかに相弟子のないのを見て、彼女は師匠に小声で話した。
半七捕物帳:16 津の国屋 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
やがて盂蘭盆うらぼんがきた。町の大通りには草市くさいちが立って、苧殻おがら藺蓆いむしろやみそ萩や草花が並べられて、在郷から出て来た百姓の娘たちがぞろぞろ通った。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
塩市しおいち馬市うまいちぼん草市くさいちが一しょくたにやってきたように、夜になると、御岳みたけふもとの宿しゅく提灯ちょうちんすずなり、なにがなにやら、くろい人の雑沓ざっとうとまッであった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)