色事いろごと)” の例文
徳三郎もはじめは旅先のいたずらにすぎない色事いろごとで、その女を連れ出して逃げるほどの執心もなかったのであるが、かれにこまれたが最後
半七捕物帳:30 あま酒売 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「大きく出やがつたな、年中空つ尻のお前が入山形いりやまがたに二つ星の太夫と色事いろごとの出來るわけはねえ、それとも大名のお姫樣のうんと物好きなのかな」
見て扨は渠等かれら色事いろごとならん究竟くつきやうの事なりと彼の開戸ひらきどの處へゆきそとよりほと/\たゝきけるに中にはおたけ庭に下立おりたち何かお忘れ物に候やと小聲こごゑひながら何心なく戸を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「はははは、それは愉快だ。あなたにしてさえ、そういう色事いろごとがあったとは」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこで色事いろごと命がけ
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
たづさへて駈付かけつけ見れば是は如何に餘りし黒髮くろかみ振亂ふりみだせし廿四五歳の女と三十ぢか色白いろしろき男とくみつほぐれつ爭ひ居たしかば扨は此奴等こやつら色事いろごと喧嘩けんくわにてもなすかや併し見て居られぬとて漸々に双方さうはう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)