舞子まいこ)” の例文
そうしてその神戸埠頭が今はもう視界から去ってしまう頃になると、左舷には淡路島がちかより、右舷には舞子まいこ明石あかしの浜が手に取るごとく見えて来る。
別府温泉 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
「うん、東京にいるのがいやになって、旅に出ていた。実は神戸こうべの辺をブラブラしていたというわけさ。あっちの方は六甲ろっこうといい、有馬ありまといい、舞子まいこ明石あかしといい、全くいいところだネ」
ゴールデン・バット事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
坂府は知っての通り芸子げいこ舞子まいこは美人ぞろい、やさしくって待遇もてなしいから、君から貰った三百円の金はちゃ/\ふうちゃにつかはたして仕方なく、知らん所へ何時いつまで居るよりも東京へ帰ったら
酒席のとりなしには新橋の名うての妓を選んで、舞子まいこも来ている。幾つも立てた燭台には真白な舶来の西洋蝋がともされる。その夜美形らが何を歌い何を踊ったか、それを鶴見は記憶していない。