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自鳴鐘
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とけい
ふりがな文庫
“
自鳴鐘
(
とけい
)” の例文
と、
微苦笑
(
びくしょう
)
をもらしながら、しばらく、腕をこまぬいて黙想に耽っていたが、やがてジジジジジと机の
自鳴鐘
(
とけい
)
が鳴り出すと共に
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
カラカラチーン、チーン、チーン、チーン……気まぐれな隣の
自鳴鐘
(
とけい
)
がもう夜の十時を
点
(
う
)
つ、夕日がくわつと壁から鏡に照り反す。鶏頭が
恍惚
(
うつとり
)
と息をつく、風が光る。
桐の花
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
その海外知識はまた、宗教を通じ、美術を通じ、鉄砲を通じ、織物や陶器や
自鳴鐘
(
とけい
)
を通じて——日に月に
滔々
(
とうとう
)
と
東漸
(
とうぜん
)
して来た時でもあった。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
腐
(
くさ
)
れたる
黄金
(
わうごん
)
の
縁
(
ふち
)
の
中
(
うち
)
、
自鳴鐘
(
とけい
)
の
刻
(
きざ
)
み……
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
その夜
愛宕
(
あたご
)
の下屋敷では、
脇息
(
きょうそく
)
にもたれて松平忠房が、さっきから
自鳴鐘
(
とけい
)
ばかり睨んで、仇討の首尾如何にやと、しきりに気懸りな様子である。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
三位卿は膝もくずさず、時々、うしろの
自鳴鐘
(
とけい
)
をふりかえっていた。眼のさえた啓之助の頭には、
船出
(
ふなで
)
のことと一緒に、お米の姿が描かれてくる……。
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
やがて、
自鳴鐘
(
とけい
)
が鳴ると、若侍たちは皆、退座した。忠利は、眠ってからも、考えていた。
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一方では東儀与力、彼も伝馬牢へ出張して、最前から役室の
自鳴鐘
(
とけい
)
をじっと
睨
(
にら
)
みながら
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ギリギリギリ……と
髪切虫
(
かみきりむし
)
の
啼
(
な
)
くような
自鳴鐘
(
とけい
)
の音が、その時、有村の後ろでした。
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
自鳴鐘
(
とけい
)
だの——と数えて行ったら
限
(
き
)
りもないほどである。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
自
常用漢字
小2
部首:⾃
6画
鳴
常用漢字
小2
部首:⿃
14画
鐘
常用漢字
中学
部首:⾦
20画
“自鳴”で始まる語句
自鳴鉦
自鳴