腕前うでまえ)” の例文
ジャップは卑劣ひれつだ、有色人種は卑劣だといったから、ぼくはちょっとジャップの腕前うでまえはどんなものかを見せてやっただけだ
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
むろんこういう巧者こうしゃなことは素人しろうとにはできない。職人はまた腕前うでまえをしめすべく、棟やのきはしの切りそろえに、あしとか篠竹しのだけとかの切り口を、順序よくならべて見せている。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
五分間ばかりで四しょうあまりの乳をしぼった。しぼったちちは、高くもりあがったあわが雪のように白く、毛のさきほどのほこりもない。主人はおぼえずみごとな腕前うでまえだと嘆称たんしょうした。
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
目の基礎訓練に五年もかけた甲斐かいがあって紀昌の腕前うでまえの上達は、驚くほど速い。
名人伝 (新字新仮名) / 中島敦(著)