胆玉きもだま)” の例文
旧字:膽玉
仮令たとい叔父様が何と云わりょうが下世話にも云う乗りかゝった船、此儘このまま左様ならと指をくわえて退くはなんぼ上方産かみがたうまれ胆玉きもだまなしでも仕憎しにくい事
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
こうひしひしと寄着よッつかれちゃ、弱いものには我慢が出来ない。ふちに臨んで、がけの上に瞰下みおろして踏留ふみとどまる胆玉きもだまのないものは、いっその思い、真逆まっさかさまに飛込みます。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いきなり「おお、帰って来たか、武田君から、君等二人の胆玉きもだまを、うんと練り上げてくれと、たのまれたからな。これからいくさに連れて行ってやるぞ。どうだ、燁代さん、怖くないか。」
昭和遊撃隊 (新字新仮名) / 平田晋策(著)
胆玉きもだまでないですだ。学問の力だ。国手せんせいの見識ですわい。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「御苦労でしたね。僕は胆玉きもだまをひやひやさせたよ。」
昭和遊撃隊 (新字新仮名) / 平田晋策(著)