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胃嚢
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いぶくろ
ふりがな文庫
“
胃嚢
(
いぶくろ
)” の例文
畳屋からノソリと出て来たのは朱房の源吉、朝っからアルコールが
胃嚢
(
いぶくろ
)
へ入ったらしく、赤い顔と
据
(
すわ
)
った眼が、なんとなく挑戦的です。
銭形平次捕物控:030 くるい咲き
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
新吉はいつもの生理的な不安な気持ちに襲われ
胃嚢
(
いぶくろ
)
を
圧
(
おさ
)
えながら寝椅子から下りた。早くアッペリチーフを飲みたいものだ。
巴里祭
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
車中で揺られるたびに、五尺何寸かある大きな
胃嚢
(
いぶくろ
)
の中で、腐ったものが、波を打つ感じがあった。三時過ぎにぼんやり
宅
(
うち
)
へ帰った。玄関で門野が
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
すると——魂がなくなつてゐる! 彼は慌てて
胃嚢
(
いぶくろ
)
を探しはじめるのであつたが
霓博士の廃頽
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
「御承知の通り孔雀一羽につき、舌肉の分量は小指の
半
(
なか
)
ばにも足らぬ程故
健啖
(
けんたん
)
なる大兄の
胃嚢
(
いぶくろ
)
を
充
(
み
)
たす為には……」
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
胃嚢
(
いぶくろ
)
が不意に逆に絞り上げられた——女中の裾から出る
剥
(
は
)
げた赤いゆもじや飯炊婆さんの横顔になぞってある黒
鬢
(
びん
)
つけの印象が胸の中を暴力のように掻き廻した。
鮨
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
胃嚢
(
いぶくろ
)
の中にヒソヒソと頻りに花の降る音が遠く遥かに続いてゐる。
竹藪の家
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
同時に
胃嚢
(
いぶくろ
)
が運動を停止して、雨に逢った鹿皮を
天日
(
てんぴ
)
で
乾
(
ほ
)
し堅めたように腹の中が
窮窟
(
きゅうくつ
)
になる。犬が
吠
(
ほ
)
えれば
善
(
よ
)
いと思う。吠えているうちは
厭
(
いや
)
でも、厭な度合が分る。
琴のそら音
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
胃
常用漢字
小6
部首:⾁
9画
嚢
漢検準1級
部首:⼝
18画
“胃”で始まる語句
胃
胃潰瘍
胃癌
胃袋
胃痙攣
胃腑
胃吉
胃弱
胃病
胃液