群禽むらどり)” の例文
下田しもだにはいくつ稲村白金プラチナの笠めきなごめ、上畑かみばたは緑の縞目、わづかにも麦ぞ萠えたる。その畑に動く群禽むらどり、つくづくと尾羽根振りては、また空へ飛び立ちかける。
あなあはれ、ここの丘窪、明るけど古さび棚田、うれしけど冬の日棚田、その空にかけ群禽むらどり、鶺鴒の薄黄の尾羽のただ波うちて影もとまらず、影もとまらず。
あなあはれ、ここの丘窪、明るけど古さび棚田、うれしけど冬の日棚田、その空にかけ群禽むらどり、鶺鴒の薄黄の羽根のただ波うちて影もとまらず、影もとまらず。
観相の秋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
その畑に動く群禽むらどりつくづくと尾羽根振りては、また空へ飛び立ちかける。あなつめた群の鶺鴒群れ飛べど目にもとまらず。いづこにか鵯は叫べど、風騒ぐけはひも聴かず。
観相の秋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
群禽むらどり木末こずゑにきほふひとなだれとほのながめもびあまりけり
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
群禽むらどり木末こずゑにきほふひとなだれとほのながめもびあまりけり
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
吹きとほる山松風の空近く吹き散らさるる群禽むらどりのこゑ
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
吹きとほる山松風の向ひ風群禽むらどりたまや近づきぬ
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)