ほしいまゝ)” の例文
新字:
同時に又、泉先生のやうに、過去の讚美に熱狂したり、永井先生のやうに、追憶囘顧の文字に詠嘆をほしいまゝにする程抒情的でも無い。
いにしへチベリウス帝がおごりをきはめ情をほしいまゝにし、灣頭より眸を放ちて拿破里ナポリの岸を望みきといふはこゝなり。
いまいくほどもあらざりき、天下てんかおほいみだれて、敵軍てきぐん京師けいし殺倒さつたうし、婦女子ふぢよしとらへてほしいまゝ凌辱りようじよくくはふ。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
世或は予其職をむなしくして、ほしいまゝに述作に耽ると謂ふ。ゑんも亦甚しきかな。
されど我面に注ぎたる姫の涼しき目は、我をしてほしいまゝに戀愛を説き嫉妬を説くこと能はざらしめき。われは話題を轉じてナポリの紀行に入り、ララの事を語り、こたびは又サンタの事にさへ及びぬ。