綺羅美きらび)” の例文
かへつてたのはうさぎで、綺羅美きらびやかな服裝なりをして、片手かたてにはしろ山羊仔皮キツド手套てぶくろを一つい片手かたてにはおほきな扇子せんすつて
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
ところが、後ろの一段高い桟敷さじきにあって花燈かとうえを横顔に、玉杯をあげていた綺羅美きらびやかな人々があった。これなん文官のりゅう長官夫妻であったのである。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
帰りに伝通院の横手にある大黒の小さいほこらへ入って、そこへ出ているある法師ぼうずについててもらうことにした。法師は綺羅美きらびやかに着飾った四十近くの立派な男であった。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
初袷はつあわせを着、風も秋めくと、毎日のように、江戸のどこかしらで、笛太鼓の音の聞えない日はない。わけて浅草界隈は、祭というと、裏店うらだなまで綺羅美きらびやかに賑わう。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)