継母けいぼ)” の例文
旧字:繼母
それは頼家よりいえが生れて間もない時のこと、政子には継母けいぼに当る遠江守時政の後妻まきかたから頼朝のおこないついて知らして来た。
頼朝の最後 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
二人はその継母けいぼくなつき、たまに自分達の生みの母が来ても、小母おばさん小母さんと言うが、継母にはおッ母さんおッ母さんとしたい寄って来る有様ありさまであった。
彼の性格の一面は、たしかに継母けいぼに育てられた結果とも見る事ができるようです。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
残った家族というのは、十六になる娘のおいとと、六つになる男の子の栄三郎えいざぶろうと、一年ばかり前にめとった後妻のちぞいのおたきだけ、世間並に考えると、この継母けいぼのお滝が一番疑われる地位にあるわけです。
先代の女房お倉——若主人の重太郎には継母けいぼに当るこの女が、死んだ重太郎の側に寄り付かないのは一つの不思議です。ようやく自分の部屋に半病人のようになっているのを捜し出してくると
継母けいぼの舌の動きが、あまりにも辛辣しんらつだったのです。