結局おち)” の例文
みのる自身が傍から眺めてゐる樣な心の態度で自分の身體を男の前に投げ出して了ふのが結局おちだつた。
木乃伊の口紅 (旧字旧仮名) / 田村俊子(著)
却って宿屋で酒を飲みおぼえたり女にからかったりする事を知り初める位が結局おちです。
旅行の今昔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
学士がくしですのなんのと云ツたところ味噌摺みそすりはふらずお辞義じぎ礼式れいしきじゆくせざれば何処どこいつてもけいしてとほざけらる〻が結局おちにてだしもけいさるゝだけをとくにしてめてもの大出来おほできといふべし。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
それは戦乱の世ならかやすすきのようにり倒されるばかり、平和の世なら自分から志願して狂人きちがいになる位が結局おちで、社会の難物たるにとどまるものだが、定基はけだし丈の高い人だったろう。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
赤い衣服きものを着る結局おちおまえのトドの望なのかエ、お茶人過ぎるじゃあ無いか。
貧乏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)