細叙さいじょ)” の例文
かくて、夕闇のアトリエに繰拡げられた、時ならぬ地獄風景は、ここに細叙さいじょすべく、あまりにも無残である。凡て読者の想像に任せる外はない。
吸血鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
それには細叙さいじょの必要はないと思うが、大体が直径二、三町もあろうと思われる、巨大な車輪である。
絶景万国博覧会 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
はずかしながらその風景を細叙さいじょする資格がない。
吉野葛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
ここに細叙さいじょすることは、この手紙の目的でありませんし、それに大分だいぶ長くなりましたから、急いで、肝心の点にお話を進めることに致しましょう。
人間椅子 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
それはここに細叙さいじょすることをはばかるほどの、見るものはたちまち吐き気を催すほどの、無残な有様であった。
悪魔の紋章 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
それからの騒動は、きまり切っていることだから、細叙さいじょを省くけれど、何しろ日曜日の海水浴場での出来事だったから、深山木の変死は、誠にはれがましいことであった。
孤島の鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
誰でも知っていることだから細叙さいじょすることもないが、現在ではすたれてしまって、どこかの片田舎でわずかに余命を保っている様な、古風な見世物を日本中の隅々を探し廻って寄せ集めた
猟奇の果 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
さて、波越警部の現場調査、それからしばらくして来着した裁判所の一行の検視手続てつづきなどを細叙さいじょしていては、非常に退屈だから凡て省略して、ただ読者に告げて置かねばならぬ点丈けを、列記すると
魔術師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)