素袍すはう)” の例文
花にはあらで得ならぬ匂ひ、そよ吹く風毎かぜごと素袍すはうの袖をかすむれば、末座にみ居る若侍等わかざむらひたちの亂れもせぬ衣髮をつくろふも可笑をかし。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
うつくしをんな木像もくざうまた遣直やりなほすだね。えゝ、お前様めえさま対手あひて七六しちむづヶしいだけに張合はりえゝがある……案山子かゝしぢやんねえ。素袍すはうでもてあひたま輿こしつて、へい、おむかへ、と下座げざするのをつくらつせえ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)