糸竹いとたけ)” の例文
旧字:絲竹
親に似て、家産は失っても、糸竹いとたけの道に長じ、歌えば美声だし、書道、槍術、棒、騎馬、雑芸、何でも器用だった。わけて“蹴毬けまり”は名人といわれている。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
とかのぞたまふらんそはまた道理だうりなり君様きみさまつまばれんひと姿すがたあめしたつくして糸竹いとたけ文芸ぶんげいそなはりたるを
闇桜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「そのお方様は黄金こがねの雨も白銀しろがねの雨も降らせませぬ。総じてその方のお話は風雅の道ばかりでございます。例えばこう、和歌の話、糸竹いとたけの道にもお詳しく、曲舞くせまいもお上手でございます」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
糸竹いとたけの芸は御身づから心を尽くし給ひき。
雪の日 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)