粟田口あわだぐち)” の例文
「久太郎(堀秀政)はただちに兵をひきつれ、山科やましなから粟田口あわだぐちへ押し通れ。目的は大津へ出て、安土と坂本との通路を遮断しゃだんするにある」
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
三十年後の今日迄こんにちまで依然として其の色を変ぜざるのみか、一度ひとたびやまと新聞に写し植字うえたるに、また時期に粟田口あわだぐち鋭き作意と笛竹ふえたけの響き渡り、あたか船人せんどうの山に登るべき高評なりしを
もっともわたしがからめ取った時には、馬から落ちたのでございましょう、粟田口あわだぐち石橋いしばしの上に、うんうんうなって居りました。時刻でございますか? 時刻は昨夜さくや初更しょこう頃でございます。
藪の中 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
それより素話すばなしになりましてからはさわむらさき粟田口あわだぐち)についでは此の業平文治でございます。その新作の都度つどわたくしどもにも多少相談もありましたが、その作意の力には毎度ながら敬服して居ります。
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
だが、洛外らくがいを出た彼の第一歩は、その日、粟田口あわだぐちから瀬田まで来ると、もうそこに
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
十八日、洛中らくちゅうを引きまわし、後、首級は粟田口あわだぐちけられた。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)