籾倉もみぐら)” の例文
散々折檻せっかんされた後、私は祖母に引きずられて庭の籾倉もみぐらの中に押し込まれた。そして、ちょうどこの監獄のように外からじょうをかけられた。
所々の石垣やほりや、籾倉もみぐららしい建物を見ると、城内であることは確かなのだが、石舟斎の住んでいる草庵とは、どこにあるのか、捜し当たらないのである。
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
左は土手、右は籾倉もみぐらの淋しいところを通って行くと、和泉橋いずみばしの土手には一個所の辻番があります。
大菩薩峠:18 安房の国の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
神田の代地は、柳原寄り、籾倉もみぐら前の狭い一郭である。軒ごとに捜しても、百軒とはない。
御案内の通り片側かたかわ籾倉もみぐらで片側町になって居りまして、竹細工屋、瀬戸物屋、烟草屋たばこやが軒を並べて居り、その頃田月堂という菓子屋があり、前町を出抜けて猿子橋にかゝりますると
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
引続いて種々いろ/\物入ものいりのございましたので、身代も余程衰えて来た処へ、其の年の十一月二十九日の籾倉もみぐらの脇から出火で福井町から茅町かやちょう二丁目を焼き払った時に土蔵を落して丸焼に成り
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
十棟とむね籾倉もみぐらから物ノ具倉、母屋おもやもはや炎でございまする」
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
右は籾倉もみぐら、左は土手。