箱入はこいり)” の例文
ときにはおうさんのむらなぞにいめづらしい玩具おもちやや、とうさんのきな箱入はこいり羊羹やうかんとなりくにはうから土産みやげにつけてれるのも、あのうまでした。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
美術品の数多い中に、日本の古い金蒔絵の雛道具や、歌がるたの昔の箱入はこいりや、じゆの字を中に書いた堆朱つゐしゆさかづきなどがあつた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
博士の心算つもりでは息子は二つ返事でそのフロツクコートをて、国子さんと結婚するものだと思つて居たのだ。それに何の無理があらう、二者ふたつとも文字通りに箱入はこいりには相違なかつたのだから。