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立在
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たたずん
恨めしそうに跡を
目送ッて文三は暫らく
立在でいたが、やがて二階へ上ッて来て、まず手探りで
洋燈を点じて
机辺に
蹲踞してから、さて
文三また
慄然と震えてまた蒼ざめて、
口惜しそうに奥の間の方を
睨詰めたまま、暫らくの間
釘付けに
逢ッたように
立在でいたが、やがてまた気を取直おして
悄々と出て参ッた。
暫らく
立在での
談話、
間が
隔離れているに
四辺が騒がしいのでその言事は
能く解らないが、なにしても昇は絶えず
口角に微笑を含んで、折節に手真似をしながら何事をか
喋々と饒舌り立てていた。