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空屋敷
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あきやしき
ふりがな文庫
“
空屋敷
(
あきやしき
)” の例文
表門の
潜戸
(
くゞりど
)
ばかりを
開
(
あ
)
けた家中は
空屋敷
(
あきやしき
)
のやうに
寂
(
しん
)
として居る。自分は日頃から腹案して居る
歌劇
(
オペラ
)
脚本の第一頁に筆を下して見た。
新帰朝者日記
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
立
(
た
)
ち
退
(
の
)
いた
空屋敷
(
あきやしき
)
とも思わるるなかに、
内玄関
(
ないげんかん
)
でこちこち音がする。はてなと何気なく障子を明けると——広い世界にたった一人の甲野さんが立っている。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
元来がほとんど武家屋敷ばかりであった所へ、維新の革命で武家というものが皆ほろびてしまったのであるから、そこらには毀れかかった
空屋敷
(
あきやしき
)
が幾らもある。
有喜世新聞の話
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
ここは関の明神と違って、何とてめえが騒いだところが、無住な
伽藍
(
がらん
)
も同じ
空屋敷
(
あきやしき
)
……、旅川周馬のいねえうちは、この孫兵衛と二人よりほかに、誰も出てくる者はいない場所だ。
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
水戸の御家人や旗本の
空屋敷
(
あきやしき
)
が
其処此処
(
そこここ
)
に
売物
(
うりもの
)
となっていたのをば、維新の革命があって程もなく、新しい時代に乗じた私の父は空屋敷三軒ほどの地所を一まとめに買い占め
狐
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
殊に維新以後はその武家屋敷の
取毀
(
とりこわ
)
されたのもあり、あるいは住む人もない
空屋敷
(
あきやしき
)
となって荒れるがままに捨てて置かれるのもあるという始末で、さらに一層の
寂寥
(
せきりょう
)
を増していた。
穴
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
忽然
(
こつぜん
)
として午睡の夢から起きた黒田さんは器械的に
縁
(
えにし
)
の糸を二人の間に渡したまま、
朦朧
(
もうろう
)
たる精神を
毬栗頭
(
いがぐりあたま
)
の中に封じ込めて、再び書生部屋へ引き下がる。あとは
故
(
もと
)
の
空屋敷
(
あきやしき
)
となる。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「人が住んでいちゃ困るんだ。
空屋敷
(
あきやしき
)
だから落着けるので」
銀河まつり
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
こうしてここの
空屋敷
(
あきやしき
)
に、七日ばかり落ちついてしまった。
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
空
常用漢字
小1
部首:⽳
8画
屋
常用漢字
小3
部首:⼫
9画
敷
常用漢字
中学
部首:⽁
15画
“空屋”で始まる語句
空屋