祥瑞しょうずい)” の例文
それから『抱朴子ほうぼくし』を読んで、その夢を祥瑞しょうずいだと思って、蝦蟇のをかき、蝦蟇の彫刻をして人に贈った。これが蟾翁の号の由来である。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
あるいは「祥瑞しょうずい」などの事柄を並べて生れぬ前より豪傑であったという意味を顕わしている。これらは人をい世をあやまるの甚だしきものとわねばならぬ。
現代学生立身方法 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
して、九五きゅうご御位みくらいにのぼせ、子孫にわたって、伝国の大統を指命せられた祥瑞しょうずいと思われます。……はやく本国へお帰りあって、遠大の計をめぐらすべきではありませんか
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
やうな大魚たいぎょしかし出世魚しゅっせうおと申す鯉魚りぎょの、お船へ飛込とびこみましたと言ふは、類希たぐいまれな不思議な祥瑞しょうずい
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
その外馬遠ばえんの対幅が五百両、牧渓もっけいが一幀五百両なり。その他もこれに準ず。また茶器を買入るるものあり(銘は知らず)、茶盒ちゃごう千五百両、南蛮縄簾なわすだれ水指みずさし三百両、祥瑞しょうずい香盒こうごう二百両なり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
第三種(占考編)天気予知法、運気考、占星術、祥瑞しょうずい鴉鳴からすなき、犬鳴き
妖怪学講義:02 緒言 (新字新仮名) / 井上円了(著)
祥瑞しょうずい、天象のことなどは、みな取るにも足らぬ浮説である。虚説である」と、明確に喝破かっぱ
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかも出世魚と申す鯉魚りぎょの、お船へ飛込みましたというは、類稀たぐいまれな不思議な祥瑞しょうずい
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)