碁敵ごがたき)” の例文
何でもないよ、ただ同藩だったし、稽古所で私の娘どもも、お頼殿と別懇にしていたし、それに私と福島殿とは碁敵ごがたきだったからな。
商用で来たという伴れは、同じ村にいる父の碁敵ごがたきだそうで年は六十歳。江戸に五日滞在して、国へ帰る。
花も刀も (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「わしも、碁敵ごがたきが一人減って淋しいや、しかしまあ仕方がねえ。時に、あの倅殿せがれどのにも困ったものだて」
碁敵ごがたきに事欠く場所ではないのであるから、太平はその特別の友情を一応訝るのであつたが、庄吉は太平の外の人々には目で挨拶を交すだけの友達すらも作らなかつた。
外套と青空 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
しかし、負けぬ気の殿と、慷慨家こうがいかで壮年の公卿くげ様との対局は、わざを別にして興のある碁敵ごがたきだ。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
問屋の方をすっかり封ぜられた磯野は、前のように外を遊びるいていてばかりもいられなかった。碁敵ごがたきや話し相手にかつえている叔父も、磯野の寄りついて来るのを、結句よろこんでいた。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
役目を引いた今日でも、二人は仲のよい碁敵ごがたきであった。
名人地獄 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
何でもないよ、たゞ同藩だつたし、稽古所で私の娘共も、お頼殿と別懇べつこんにしてゐたし、それに私と福島殿とは碁敵ごがたきだつたからな。
主膳とは碁敵ごがたきになっているが、主膳の方がずっと強いながら、この辺としてはくっきょうの相手ですから隠居は、主膳の来訪を喜んで、眺めのよい高楼に盃盤はいばんを備えて待受け
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
碁敵ごがたきの彦兵衛か。彦兵衛もこれへ来い。なぜ、壁の隅などへ、そう恐れ入っておるか」
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ところが今宵こよい碁敵ごがたきの隠居にばれて、碁に興が乗ってくると、思わず知らず盃に手をつけたのがこっちの抜かり……四五盃を重ねて、つい、いい心持になっているところへ
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
それに岩太郎の碁敵ごがたきで、篠崎小平という四十年配の浪人者。出雲屋の孫店で、日頃恩顧を蒙っている田屋甚左衛門。それに本店に居る先輩の妾お峰と、手代の才六という三十男。
銭形平次捕物控:245 春宵 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
三年にもなるかな。——近所に住んでゐて、何方も九州生れで、似たやうな下手碁へたごだから、ツイ錢湯で懇意こんいになつたのさ。——碁敵ごがたきがポツクリ死ぬと、恐しく張合が無くなるといふことを
三年にもなるかな。——近所に住んでいて、どちらも九州生れで、似たような下手碁へたごだから、ツイ銭湯で懇意こんいになったのさ。——碁敵ごがたきがポックリ死ぬと、おそろしく張合いがなくなるということを
信兵衞の碁敵ごがたきで、中坂に住んでゐる浪人の寺西右京、これは元の武家に返り咲き度いが、中國筋の舊主へは、仔細あつて歸參叶はず、伜習之進のために、せめて御家人の株を買つてやることにしたが