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矗
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すっく
ふりがな文庫
“
矗
(
すっく
)” の例文
この
体
(
てい
)
を見ますと、今まで橋の
欄干
(
てすり
)
に縋り付いて泣いていた婆さんが、急に泣き止んで
矗
(
すっく
)
と立ち上りまして、いきなり頭巾や、外套や、手袋をかなぐり棄てますと
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
後
(
あと
)
はどう来たか、
恐
(
こわ
)
い姿、
凄
(
すご
)
い者の路を
遮
(
さえぎ
)
って
顕
(
あらわ
)
るる
度
(
たび
)
に、娘は私を
背後
(
うしろ
)
に
庇
(
かば
)
うて、その鎌を
差翳
(
さしかざ
)
し、
矗
(
すっく
)
と立つと、
鎧
(
よろ
)
うた
姫神
(
ひめがみ
)
のように
頼母
(
たのも
)
しいにつけ、雲の消えるように路が開けてずんずんと。
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
爛々
(
らんらん
)
たる
火焔
(
かえん
)
を
吐
(
はき
)
て
矗
(
すっく
)
と
立
(
たっ
)
たる
鬼桃太郎
(新字新仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
矗
(
すっく
)
とばかり立ち上りましたが、その右手を高く挙げたのを見ると、一匹の恐ろしい姿をした蛇が、宝石の鱗を眩しい程光らせながら、真赤な舌をペロペロと吐いて巻き付いておりました。
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
矗
部首:⽬
24画
“矗”を含む語句
矗々
矗立
矗乎
矗然
矗立千尺
高矗