着様つけよう)” の例文
見物人は追々にえて来た。柳屋のお清も駈けて来たが、ただわやわや云うばかりで手の着様つけようがない。其雑踏そのひとごみを掻き分けて、ぬっと顔を出したのはのお杉ばばあであった。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
ただここに残っているのは、重傷にくるしめるの坑夫ていの男一人いちにんである。これについて厳重に詮議するより他はないが、何分にも生命せいめい危篤きとくという重体であるから、手の着様つけようが無い。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
この不意撃に一同も総立となって、井神は屈せず鉄砲を放ったが、空砲からづつとは云いながら何の効目ききめもなく、石はますます降るという始末に、いずれも殆ど匙を投げて、どうにもこうにも手の着様つけようがない。
池袋の怪 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)