眉山びざん)” の例文
此処へ川上眉山びざん氏がまた加わらなければならない。彼女は初めて逢った眉山氏をどう見たろうか、彼女はこう言っている。
樋口一葉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
が、実際に文庫の編輯にあずかっていたのは楽屋がくや小説の「紅子戯語こうしけご」に現れる眉山びざんさざなみ、思案、紅葉、つきまどか香夢楼緑かむろみどり、及び春亭九華しゅんていきゅうかの八名であった。
眉山びざんさざなみの比で無いと露伴もいったとか言って、自分も非常にえらいもののようにいうものだから、其時分何も分らなかった僕も、えらいもののように思っていた。
正岡子規 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
今戸心中いまどしんじゅう』、『黒蜥蜴くろとかげ』、『河内屋かわちや』、『亀さん』とうの諸作は余の愛読してあたはざりしものにして余は当時紅葉こうよう眉山びざん露伴ろはん諸家の雅俗文よりも遥に柳浪先生が対話体の小説を好みしなり。
書かでもの記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
「若松屋も、眉山びざんがいなけりゃいいんだけど。」
眉山 (新字新仮名) / 太宰治(著)
一葉は、あの細っこい体で、一文菓子いちもんがしの仕入れにも行くのだそうだが、客好きで、眉山びざんなどから聞くと不断ふだんは無口だが、文学談になると姐御あねごのようになる。
田沢稲船 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
孤峭こしょうなおもしろい男だった。どうした拍子か僕が正岡の気にいったとみえて、打ちとけて交わるようになった。上級では川上眉山びざん、石橋思案しあん、尾崎紅葉こうようなどがいた。
僕の昔 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
尾崎紅葉こうよう、川上眉山びざんたちと共に、硯友社けんゆうしゃを創立したところの眉毛まゆげ美しいといわれた文人で、言文一致でものを書きはじめ『国民の友』へ掲載した「蝴蝶」は、いろいろの意味で評判が高かったのだ。
田沢稲船 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)