“黒蜥蜴”の読み方と例文
読み方割合
くろとかげ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「狂言娘」は根津に「黒蜥蜴くろとかげ」は入谷の辺に「骨盗み」は目黒に住われたる事あるが故に出で来れるものなるべし。
偏奇館漫録 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
闇の中空に浮いた、巨大な白いとんがり帽子を、これは黒蜥蜴くろとかげの様に見える粂さんが、頂上にぶら下った金守宮に向って這上って行くのが、活動写真の様に眺められた。
黄金仮面 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
今戸心中いまどしんじゅう』、『黒蜥蜴くろとかげ』、『河内屋かわちや』、『亀さん』とうの諸作は余の愛読してあたはざりしものにして余は当時紅葉こうよう眉山びざん露伴ろはん諸家の雅俗文よりも遥に柳浪先生が対話体の小説を好みしなり。
書かでもの記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)