相伝そうでん)” の例文
旧字:相傳
これ、さっきは、瓔珞の頑丈がんじょうをたよって不覚をとったが、こんどは、果心居士かしんこじ相伝そうでん浮体ふたいの法をじゅうぶんにおこなっているためだ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もとは庄屋の家へも廻って行って、男女それぞれに相伝そうでんしたささげ歌というのを歌うことになっていた。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
例の、源氏相伝そうでんの白旗も高々とひるがえされ、ここに初めて、時の世上へむかっての、足利家の“旗幟きし”はあきらかにされたのだった。
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と呟きながら覗き込むと、福野流体術の相伝そうでんを受けたという部屋の用心棒——浪人金井一角を対手あいてにして、汗みどろに揉み合っている。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そのほか、相伝そうでん御荘園ごしょうえん開田地かいでんちなども、どうやら、あやしげな処分になってしまいました。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こよい、相伝そうでんあるじ忠盛どののお身に、不慮ふりょあらんやの取りざたをうけたまわり、かくはさむろうてまかりおりまする。いのちをかけて推参の者。出よとて、めったにここは動く者でございません