盟主めいしゅ)” の例文
阿波あわ侯におかれては、いよいよ明日、まんじ丸でお国表へお引揚げなさる由、何やら盟主めいしゅを失うような寂寥せきりょうを覚えまする」
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「そうですか、それでは今、日本を大東亜の盟主めいしゅとする大東亜戦争が始まっているんですね……」
秘境の日輪旗 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
羽生の寺の本堂の裏から見た秩父ちちぶ連山や、浅間嶽の噴煙ふんえん赤城あかぎ榛名はるな翠色すいしょくにはまったく遠ざかって、利根川の土手の上から見える日光を盟主めいしゅとした両毛りょうもうの連山に夕日の当たるさまを見て暮らした。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
皆さんのお心委こころまかせとし、いまや太平洋を征服し、東洋民族の盟主めいしゅとして仰がれることになりました新日本の光輝こうきある黎明れいめいを迎えるに当り、そのとうとき犠牲となったわが戦士と不幸な市民たちをとむら
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
あくまで伊那丸を中心とする一とうが、その盟主めいしゅをうしなって、なんの最後の一戦がはなばなしかろう。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
米英人の足もとにふみにじられていた、ながい年月の悪夢からさめ、日本を盟主めいしゅとして東洋人の東洋を築こうとしている、新らしい昭南島の姿が、生々と感じられるようだった。
秘境の日輪旗 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
このうえはなにとぞ、もとの甲山こうざんにお帰りあそばして、あわれ、甲斐源氏再興かいげんじさいこうのために、臥薪嘗胆がしんしょうたんいたしている若君わかぎみをはじめ、われわれどもの盟主めいしゅとおなりくださいますよう。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして、蜂須賀阿波守がその反幕府派の盟主めいしゅであることが、指摘されてあった。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
盟主めいしゅをうしなった天下の群雄は、ひとしくうろたえまよった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)