白眼にらみ)” の例文
事の意外に十兵衛も足踏みとめて突っ立ったるまま一言もなく白眼にらみ合いしが、是非なく畳二ひらばかりを隔てしところにようやく坐り
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
かねがね煩悩小僧と動かぬ白眼にらみをつけている文珠屋佐吉を、宗七、ここで一声かけるかと思いのほか、そこは共に大志を抱く友達のよしみ。
煩悩秘文書 (新字新仮名) / 林不忘(著)
はた白眼にらみし其形容ありさまに居並び居たる面々めん/\何れも身の毛も彌立よだつばかりに思ひかゝる惡人なれば如何成事をや言出すらんと皆々みな/\手にあせ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
譬へば或る時、大目玉を引ンいて、毛剃が白眼にらみ𢌞した百萬の唐船も斯くやと許り。十重に二十重に引ツ絡んで喧嘩の火の手を焚き付け樣と云ふ、江戸ツ子のいらぬ意氣地。
二十三夜 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
事の意外に十兵衞も足踏みとめて突立つたるまゝ一言もなく白眼にらみ合ひしが、是非なく畳二ひらばかりを隔てしところに漸く坐り
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
殺せしは全く私しなり何卒なにとぞ御所刑に仰付おほせつけられ下さるべしと云ば理左衞門は面色を變三五郎を白眼にらみ其方は先達せんだつて前後そろはぬ儀を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
云ふ女なり何時いつおれが手前に百兩などと云ふ大金をあづけしやコレ宜加減いゝかげんうそつけと恐ろしき眼色にて白眼にらみ付けるを大岡殿見られコレ/\久兵衞當所を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)