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癪氣
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しやくき
如何遊され候やと申ければ越前殿
然ば
癪氣にて四花の邊より
小腹へかけきり/\と
差込で食事も進まず兎角に
鬱でならぬが其方の
噂を
立伊賀亮事
俄に
癪氣差起り明日の所
全快覺束なく候間
萬端宜敷御頼み申也と云
送り
部屋へ
引籠り居たりける
扨其夜も
明辰の
上刻と成ば天一坊には八山を
得しことゆゑ
癪氣も速かに
治りければ大岡殿には悦ばれ成程
妙に
好心持に成しと申されるに城富は先々御
休息を
遊ばされよと申て自分も
休み居たりけるに大岡殿は
寢返りて此方を