痩法師やせほうし)” の例文
「ほざくな痩法師やせほうし、鬼神といわれたこの五郎次の陣刀を受けられるものなら受けてみろ」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
痩法師やせほうしが杖にすがって、珠数までみながら、ずッと寄ると——ついと退く。……端折はしょった白脛しらはぎを、卯の花に、はらはらと消し、真白まっしろい手を、って押退おしのけるようにしたのです。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
杖はいたずらに空に震えて、細い塔婆が倒れそうです。白い手がその杖にかかると、川の方へぐいとき、痩法師やせほうしの手首を取ったすくいなさけに、足は抜けた。が、御坊はもう腰を切って、踏立てない。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
すると、約束したように、そこに待っていた一個の痩法師やせほうし
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)