留南木とめぎ)” の例文
あいいて、ゆるく引張つてくゝめるが如くにいふ、おうなことば断々たえだえかすかに聞えて、其の声の遠くなるまで、桂木は留南木とめぎかおりに又恍惚うっとり
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
それ、とふたつほこりをたゝいたが、まだしもうもしない、うつくしい夫人ふじんうつをそのまゝ、みぎ座布團ざぶとんをすゝめたのである。あへてうつりといふ。留南木とめぎのかをり、香水かうすゐかをりである。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
その立つ灰にも、留南木とめぎの香がぷんと薫る。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)