生国しやうこく)” の例文
旧字:生國
ラゲさんは、自分の生国しやうこくが、クリストフがかつて居住してゐた土地であるといふ話しなどが出たので、一寸ちよつと因縁いんねんをつけて考へたものであつた。
風変りな作品に就いて (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
異人が来ては日本の為にならぬと思ひ込みたるやからは、自分には知らぬ事ながら我が生国しやうこくの恥辱を世間一般に吹聴ふいちやうするも同様にて、気の毒千万なれば、この人々の為めいささか弁解すべし……
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
どんな山の中でもきます、わたし生国しやうこく越中ゑつちう富山とやまで、反魂丹売はんごんたんうりですから、荷物にもつ脊負せおつて、まだくすりひろまらない山の中ばかりつて歩くのです、さうしてまた翌年よくねんの山の中をつて歩くので
塩原多助旅日記 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
彼れは素性すじやう生国しやうこく
妄動 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)