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燒場
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やきば
申立ませうアノ
夫々是は去年の春の事とて
栗橋の
燒場のアノ
隱亡の名は
慥彌十とか申者より
錢一貫二百五十文に
買受ましたに相違は御座りませんと申
立るにぞ原田は是を
葬禮の納め物となすならば寺へこそ
納める
筈なれ何ぞ
燒場へ納めると云
法の
有んやサア
尋常に白状致せ不屆者め
夫責よと言葉の下より
手先の者共
笞を
揚て左右より彌十の
股を
越前守殿は
敏くも見て
取られ何ぢや多兵衞云へぬか云へまい其寺は淺草
阿部川町了源寺であらうコリヤ多兵衞先達て了源寺の
所化と爲り
燒場切手を
持參なし島の
死骸を千住の燒場光明院へ
持込棺桶を