無職むしょく)” の例文
場所ばしょは、岡山市おかやまし郊外こうがいちかいMまちで、被害者ひがいしゃは、四ねんほどまえまで質屋しちやをやつていて、かたわら高利貸こうりかしでもあつたそうだが、目下もっか表向おもてむ無職むしょくであつて
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
かれ半年はんとし無職むしょく徘徊うろうろしてただパンと、みずとで生命いのちつないでいたのであるが、その裁判所さいばんしょ警吏けいりとなり、やまいもっのちにこのしょくするまでは、ここにつとめっていたのであった。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
その前から親の職業が無職むしょくであり、またその人は、新聞によれば乱臣賊子なんだから、入学はむつかしいぞ、と家の中で愚父ぐふ愚母が話しあっていたが、この結果になって二人ともこっくりした。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)