みだ)” の例文
外人が鋭意して真似まねんともがく所以ゆえんのものを、われにありてはみだりに滅却し去りて悔ゆるなからんとするは、そもそも何の意ぞ。
神社合祀に関する意見 (新字新仮名) / 南方熊楠(著)
しかのみならず、地を賜はること、実にたゞ一、二あるも、これにより峰をこえ谷にまたがりてみだりに境界となす、自今以後更に然ることを得ざれ
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
其の林檎の果實をみだりに多産ならしめないで、樹の堅實と健全繁榮とを保たしむるのは、即ち惜福である。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
慈母の厚恩を感謝して新衣をばみだりに着用せず、舊衣猶未だ敝れざる間は、舊衣を平常の服とし、新衣を冠婚喪祭の如き式張りたる日に際して用ふるが如くする時は、舊衣も舊衣として其の功を終へ
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)