浙江せっこう)” の例文
雪乃母娘おやこは手みやげに持って来た浙江せっこうまんじゅうを、剣持与平から老公へ披露ねがって、やがて惣左とともに、さきへ帰って行った。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そう理宗りそう皇帝のとき、浙江せっこううしおがあふれてこう州の都をおかし、水はひさしく退かないので、朝野の人びとも不安を感じた。
中でも崇福寺すうふくじの丹朱の一峰門が山々の濃緑からぬきん出て、さながら福建ふくけん浙江せっこうの港でも見るよう。
羅氏俳号を蘇山人そさんじんと称す。大清だいしん公使館通訳官浙江せっこうの人羅庚齢らこうれいの長子なり。
書かでもの記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
泉州は福建省に、台州・衢州は浙江せっこう省に、竇州・藤州は広西省にある。
古寺巡礼 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
舜水しゅんすい先生のお好きなものであった。先生の故国、みん浙江せっこうのそれと風味が似ておるとか。先生いてもう十年、おしのびする話題ともなろう
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
南方の沿海、江蘇方面から、安徽あんき浙江せっこうにおよび、江岸の荊州(湖南、湖北)より、さらにさかのぼって益州えきしゅう四川省しせんしょう)にまでちらかった。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
例の老公好みの浙江せっこうまんじゅうが一個ずつ各〻めいめい、盆に載せられて茶とともに供された。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
浙江せっこう一帯の沿海を持つばかりでなく、揚子江の流域と河口をやくし、気温は高く天産は豊饒ほうじょうで、いわゆる南方系の文化と北方系の文化との飽和によって、宛然えんぜんたる呉国色をここに劃し
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
多年、浙江せっこうの一地方にいて、みずから「東呉の徳王」などと称していた厳白虎げんぱくこ
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「おう、汝が、浙江せっこうの平和を騒がす不良青年のかしらか」
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)