河底かわぞこ)” の例文
西山にしやまは、一どう野中のなか河普請場かわぶしんば案内あんないしました。工事こうじはなかなかの大仕掛おおじかけでした。河水かすいをふさいで、工夫こうふたちは、河底かわぞこをさらっていました。ほそいレールが、きしって、ながく、ながくつづいています。
白い雲 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ここが三むねの高い鱗葺こけらぶきの建物の跡か、そこが広間や書院の跡かと歩き回った。その足で彼は大手橋を渡った。橋の上から見うる木曾川の早い流れ、光る瀬、その河底かわぞこの石までが妙に彼の目に映った。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)