はゞ)” の例文
「ほんの蝋燭おてらしだ、旦那だんな。」さて、もつと難場なんばとしたのは、山下やました踏切ふみきりところが、一坂ひとさかすべらうとするいきほひを、わざ線路せんろはゞめて、ゆつくりと強請ねだりかゝる。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
斯く説き聞せられて、我はいつもながら氣はゞみて聲もかすかに、さらば君が友だちといふはあまり善ききはにはあらぬなるべしと答へき。ベルナルドオはこらへず。善き際にあらず、とは何をか謂ふ。
想世界の敗将気はゞみ心疲れて、何物をか得て満足を求めんとす、労力義務等は実世界の遊軍にして常に想世界をうかゞふ者、其他百般の事物彼に迫つて剣鎗相接爾せつじす、彼を援くる者、彼を満足せしむる者
厭世詩家と女性 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)