おふくろ)” の例文
「でも、そうやって江戸中を歩いていりゃあ、壺も壺だけれど、ちゃんおふくろに逢えるかもしれないね」
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
紺飛白こんがすりで何処やらひんの好い昨年おふくろをなくした仁左衛門さんが相槌をうつ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
おふくろさんは意気なおふくろさんだツたが……』
百日紅 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
「えっ! あ、あの、あたいのちゃんおふくろが——?」
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「そんなこと言ったって、おめえには、あのお蓮さんていう立派なおっ母が出てきたじゃアねえか。おいらはあいつ大きらいだけど——それに引きかえて、このチョビ安は、あわれなもんだ。いまだにちゃんにもおふくろにもめぐり会えねえのだからなあ」
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)