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歪
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ひず
ふりがな文庫
“
歪
(
ひず
)” の例文
すべての知覚が、方向をもった力の関係に置かれること、この知覚の
歪
(
ひず
)
みが「感情」であるということは私たちに示唆深いものがある。
美学入門
(新字新仮名)
/
中井正一
(著)
此時焼跡から帰って来た巡査部長が白い
布
(
きれ
)
の上に拡げた焼け残りのガラクタの中に、
歪
(
ひず
)
んだ、吸入器の破片があった。
越後獅子
(新字新仮名)
/
羽志主水
(著)
地殻の
歪
(
ひず
)
みが漸次蓄積して不安定の状態に達せる時、適当なる第二次原因例えば気圧の変化のごときものが働けば地震を誘発する事は疑いなきもののごとし。
自然現象の予報
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
「いやに早く片づけるね。次は仮説じゃない。夢は現実そのままには現れない。現実の状態にいろいろの
歪
(
ひず
)
みを受ける。その主なるものは圧縮・抑制・象徴などだね」
五階の窓:04 合作の四
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
雪の橋は拱の頂点で三尺ほどの厚さしかなく、
要石
(
かなめいし
)
にあたるあたりの氷が
歪
(
ひず
)
んで脆くなっている。亀裂の縁は踏むはしから欠け、金属的な音をたてて、底も見えぬ暗い氷の
狭間
(
はざま
)
へ落ちて行く。
白雪姫
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
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空間の
歪
(
ひず
)
みに因るのだというアインシュタイン説が出現して来ます。
仏教人生読本
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
唐辛子花咲く頃やほのぼのと
炎天
(
えんてん
)
の
畝
(
うね
)
に
歪
(
ひず
)
む人かげ
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
黒斑
(
くろふ
)
歪
(
ひず
)
みて
慘
(
いた
)
ましく
鮮明
(
あざやか
)
にこそ
捺
(
お
)
されたれ。
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
いろいろの形をもって
歪
(
ひず
)
んだり、ゆがんだりして、それぞれの民族の心を表わしていることを考えてみたが、それは空間ばかりが生きて、いろいろに
歪
(
ひず
)
んでいるのではなくて
美学入門
(新字新仮名)
/
中井正一
(著)
しかし、彼女の境遇は彼女の天性に大きな
歪
(
ひず
)
みを与えた。彼女が黙したときに浮かび出る哀愁、それは彼女すら自覚しないもので、幼時からの逆境による潜在性の性質だったのだ。
五階の窓:04 合作の四
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
後にはエーテルと称する仮想物質の弾性波と考えられ、マクスウェルに到ってはこれをエーテル中の電磁的
歪
(
ひず
)
みの波状
伝播
(
でんぱ
)
と考えられるに到った。その後アインスタイン一派は光の波状伝播を疑った。
物質とエネルギー
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
唐辛子花咲く頃やほのぼのと
炎天
(
えんてん
)
の
畝
(
うね
)
に
歪
(
ひず
)
む人かげ
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
このように、空間は、生きているものである。空間の中に、人が生きているのではなくて、生きていることが、空間なるものをいろいろの姿に
歪
(
ひず
)
めたり、ゆがめたりするのである。
美学入門
(新字新仮名)
/
中井正一
(著)
引き引きに
歪
(
ひず
)
み
退
(
しぞ
)
き
新頌
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
引き引きに
歪
(
ひず
)
み
退
(
しぞ
)
き
新頌
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
炎天の野に
歪
(
ひず
)
みぬ。
新頌
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
歪
漢検準1級
部首:⽌
9画
“歪”を含む語句
歪形
歪曲
引歪
仮歪
正歪
歪像
歪力
歪子山
歪屈
歪曲美