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槲
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かし
ふりがな文庫
“
槲
(
かし
)” の例文
手に大きい
槲
(
かし
)
の木の杖を衝いてゐる外には、別に武器は持つてゐない。不細工な辞儀をして、純粋なパリイ人の調子で「今晩は」と云つた。
病院横町の殺人犯
(新字旧仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
僕は当時新宿にあった牧場の外の
槲
(
かし
)
の葉かげにラム酒を飲んだことを覚えている。ラム酒は非常にアルコオル分の少ない、
橙黄色
(
とうこうしょく
)
を帯びた飲料だった。
点鬼簿
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
彼女が続いて見ていると、それは非常に滑らかな青い竹で、その頂に二筋の黒い細い点があり、それは
槲
(
かし
)
の樹の葉の上にある黒点よりも、
遥
(
はるか
)
に小さい。
不周山
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
その頭上には
梣
(
とねりこ
)
や
槲
(
かし
)
が、半かけの月光や星の光を、枝葉の隙からわずか
零
(
こぼ
)
し、
野葡萄
(
のぶどう
)
や
木賊
(
とくさ
)
や
蕁麻
(
いらくさ
)
や
芒
(
すすき
)
で、おどろをなしている地面の諸所へ、銀色の斑紋を織っていた。
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
誂
(
あつ
)
らえときなさい。この人には
槲
(
かし
)
の棺ではちと
高価
(
たか
)
すぎるからね。
外套
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
▼ もっと見る
紅
(
くれない
)
の
槲
(
かし
)
と緑の松を
動
(
うごか
)
せども
珊瑚集:仏蘭西近代抒情詩選
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
薄暗いこちらの
廊下
(
ろうか
)
にいると、出窓はこの家を背景にした、大きい一枚の
画
(
え
)
のように見える。
巌乗
(
がんじょう
)
な
槲
(
かし
)
の
窓枠
(
まどわく
)
が、ちょうど
額縁
(
がくぶち
)
を
嵌
(
は
)
めたように見える。
母
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
“槲(カシワ)”の解説
カシワ(柏・槲、学名: Quercus dentata)は、ブナ科コナラ属の落葉高木。日本・朝鮮半島・中国の東アジア地域に分布しており、痩せ地でも生育し、海岸で群落になっているところもある。葉は、かつて料理を盛るために使われ、端午の節句の柏餅を包む葉としても知られる。冬でも葉が落葉せずに枝に残ることから、日本では神が宿る縁起木とされている。
(出典:Wikipedia)
槲
漢検1級
部首:⽊
15画
“槲”を含む語句
木槲
槲寄生
大槲樹
槲木
槲樹
槲橛