業病ごふびやう)” の例文
業病ごふびやうに取つ付かれて、人に顏をさらさないが、物貰ひにしちや色の白い、何となく身體に品のある若いのが居ましたらう」
料理れうりしてがんいつはり食せけるに不思議や條七は五十日たつたゝぬにかみぬけ癩病らいびやうの如く顏色がんしよくも變り人交際つきあひも出來ぬやうに成ければおてつは仕濟したりと打よろこび條七に打むかひお前は入聟いりむこの身斯る業病ごふびやうになりては先祖せんぞすまず早く實家へ歸りくれよといとつれなくも言ければ條七も詮方せんかたなく前世ぜんせの業と斷念あきらめるより外なしと女房娘を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
出入りの醫者に診て貰つて、それは、當時ではなほりやうのない業病ごふびやうと知つた時の、彌三郎の驚きはどれ程だつたでせう。
「こんな業病ごふびやうが取付かれて、お前に難儀をさせるし、治る見込みもない。店は段々さびれて、この盆には否も應もなく夜逃げでもしなきやなるまい——と言つてゐました」
念のために梁庵りやうあん先生に訊くと、お縫は可哀想に業病ごふびやうに取りつかれ——以前父親か何んかがそれで死んだので、自分もそれと察して近頃はひどく沈んでゐたといふことだ。
それは業病ごふびやう徴候しるしだよ、そのまだらなところは、突いても切つても痛くはない筈だ、——それから、その人の鼻の穴の中を見なかつたかな、——たゞれがあるかも知れない、氣の毒なことぢや