桂馬けいま)” の例文
まちがえたというんだよ。とんだ忘れものさ。むっつり流十八番桂馬けいま飛びという珍手を忘れていたはずだが、おまえさん心当たりはないかえ
ふ、宗桂そうけいのあしらひより、番太郎ばんたらう桂馬けいまはうが、えらさうにえるならはしで、おくみ感心かんしんしたらしかつた。もさうずと千助せんすけ益々ます/\附入つけいる。
片しぐれ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
人形の締めているだらりの帯には、大方兄のキリレンコにでも知慧ちえを借りたのであろう。黒地にペインテックスで桂馬けいま飛車ひしゃの将棋のこまが描いてあるのであった。
細雪:01 上巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
桂馬けいまの高飛び——のおそれはあるが、持ち駒の一ツに利用しておこうとしたのは事実だった。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「蟹江君。君のその桂馬けいまを、三十円で売って呉れないか」
Sの背中 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
「へえ、桂馬けいまが後びつしやりしますのかい?」
三つの挿話 (新字旧仮名) / 神西清(著)
桂馬けいまと来たな。」
(新字新仮名) / 横光利一(著)
これが桂馬けいまがかりのからめ手詮議、おいらが十八番のさし手じゃねえか。考えてみろい。おこよどのとかいうご新造がいたというのに雲がくれしたんだ。
ふ。宗桂そうけいのあしらひより、番太郎ばんたらう桂馬けいまはうが、えらさうにえるならひであるから、おきみ感心かんしんしたらしかつた。もさうず、と元二げんじ益々ます/\附入つけいる。
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「とぼけた返事をするない。桂馬けいまがかりの詰め手というのは、こういうふうに打つんだ。気をつけろい」
「参ったね。桂馬けいまはあるが、打ちどころがねえというやつだ。え? だんな、ちがいますかい」