根瘤ねこぶ)” の例文
むしろを巻いて、床下へ首を突っ込むと、日頃、開墾するうちに心がけて運んだ木の根瘤ねこぶだの、竹の根だのが、山をなすほどたくわえてある。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
採った木地類は漆器屋ぬしやに売り、同族結婚、姦通、自堕落、無道徳というのが普通だのに! もっともいい木目を目つけたり、またよい根瘤ねこぶを目つけたりすると、手製の小刀やのみなどで
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
すこし力を入れたかと、思うと、ふわりとちゅうへおよがせて冠桜かんむりざくら根瘤ねこぶのあたりへ、エエッ、ずでーんと気味きみよくたたきつけた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
天蓋の会釈えしゃくをして、ゆったりと腰を下ろし、根瘤ねこぶの煙草盆に一服つけて、のどかに紫煙をくゆらしながら、徐々じょじょたずねだした話はこうである。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ほかの者から、法師、法師と敬称されて、時々、寺僧のかたまるばたにみえて冗談をいったり、飄然ひょうぜんとして見えなくなったり、また、裏山から木の根瘤ねこぶなどを見つけてきて
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
碑は約十坪ばかりの玉石の段に囲まれ、側にはおおきな樹が根瘤ねこぶを張っていた。
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
木の根瘤ねこぶを掘る。また、石ころをふるう。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)