校尉こうい)” の例文
これを聞いて、校尉こうい韓延年かんえんねん以下漢軍の幕僚ばくりょうたちの頭に、あるいは助かるかもしれぬぞという希望のようなものがかすかにいた。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
「それは頼もしい。朝廟にも校尉こうい种輯ちゅうしゅう議郎ぎろう呉碩ごせきの二人がある。二人とも漢家の忠良だ。い日をはかって、打明けてみよう」
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と申し出たので、太守劉焉はよろこんで、校尉こうい鄒靖すうせいの五千余騎に加えて、玄徳の義軍にその先鋒を依嘱した。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かつて長安ちょうあん都下の悪少年だった男だが、前夜斥候せっこう上の手抜かりについて校尉こうい成安侯せいあんこう韓延年かんえんねんのために衆人の前で面罵めんばされ、むち打たれた。それを含んでこの挙に出たのである。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
太守たいしゅ劉焉りゅうえんの領内で、校尉こうい鄒靖すうせいという代官が役所をおいて支配していたが、なにぶん、近年の物情騒然たる黄匪こうひ跳梁ちょうりょうおびやかされているので、楼桑村も例にもれず
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その夜、王允はただちに、日頃の同志、校尉こうい黄琬こうえん僕射士ぼくやし孫瑞そんずいの二人を呼んで、自分の考えをうちあけ
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
渭南の県令から登用した校尉こうい丁斐ていひの策を用いて、河畔の堤の蔭に沿うて仮陣屋を築かせ、擬兵ぎへい偽旗ぎきを植えならべて、実際の本陣は、すでにほかへ移していたのである。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
玄徳は、「自分もそう考えていたところだ。早速、太守へ進言しよう」と、劉焉に会って、その旨を申し出ると劉焉もよろこんで、校尉こうい鄒靖すうせいの先陣に参加することをゆるした。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)