染料せんりょう)” の例文
草餅くさもちが出来た。よもぎは昨日鶴子が夏やと田圃たんぼに往ってんだのである。東京の草餅は、染料せんりょうを使うから、色は美しいが、肝腎かんじんの香がうすい。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
今それをアニリン染料せんりょうの紫にくらぶれば、地色じいろ派手はででないから、玄人くろうとが見ればっているが、素人しろうとの前では損をするわけだ。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
野生やせいのものはそうザラにはないから、染料せんりょうに使うためには、是非ぜひともこれを作らねばならぬ必要があったのである。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
昔は紫の色はみな紫根しこんめた。これがすなわち、いわゆる紫根染しこんぞめである。今はアニリン染料せんりょう圧倒あっとうせられて、紫根染しこんぞめを見ることはきわめてまれとなっている。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)