架渡かけわた)” の例文
架渡かけわた領主りやうしゆ稻葉家の普請ふしんにて今日公卿方此橋を御通行あるにより同家より警固けいごの人數嚴重に御道筋おみちすぢ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
水はどうどうと流れる、橋は心細く架渡かけわたされている。橋流れて水流れず。サテ何だか解らない。シーンと考え込んでいると、たちまち誰だか知らないが、途方もない大きな声で
観画談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
赤い山躑躅やまつつじなどの咲いた、そのがけの下には、はやい水の瀬が、ごろごろ転がっている石や岩に砕けて、水沫しぶきちらしながら流れていた。危い丸木橋が両側の巌鼻いわはな架渡かけわたされてあった。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
橋流れて水流れず、橋流れて水流れず、ハテナ、橋流れて水流れず、と口の中で扱い、胸の中でんでいると、たちまち昼間渡ったかりそめの橋が洶〻きょうきょうと流れる渓川たにがわの上に架渡かけわたされていた景色が眼に浮んだ。
観画談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)