“本馬(ほんま)” の例文
「乗かけ」というのは乗掛馬のこと、本馬(ほんま)ならば三十六貫の荷を負わせるところを、荷を二十貫に減じ、一人これに乗るの謂である。
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
本馬(ほんま)六十三文、軽尻(からじり)四十文、人足四十二文、これは馬籠から隣宿美濃(みの)の落合(おちあい)までの駄賃(だちん)として、半蔵が毎日のように問屋場の前で聞く声である。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
各駅の人馬賃銭が六倍半にも高くなったその年の暮れあたりから見ると、二人の青年時代には駅と駅との間を通う本馬(ほんま)五十五文、軽尻(からじり)三十六文、人足二十八文と言ったところだ。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
たとえば、馬の背や人足の力をかりて旅の助けとするとしても、従来の習慣(ならわし)によれば本馬(ほんま)三十六貫目、乗掛下(のりかけした)十貫目より十八貫目、軽尻(からじり)あふ付三貫目より八貫目、人足荷五貫目である。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
呉服物の大きな風呂敷(ふろしき)を背負った旅商人(たびあきんど)、その他、宿から宿への本馬(ほんま)何ほど、軽尻(からじり)何ほど、人足何ほどと言った当時の道中記を懐(ふところ)にした諸国の旅行者が、彼の前を往(い)ったり来たりしていた。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
本馬(ほんま)一駄(だ)二十貫目、軽尻(からじり)五貫目、駄荷(だに)四十貫目、人足一人持ち五貫目と規定され、ただし銭差(ぜにさし)、合羽(かっぱ)、提灯(ちょうちん)、笠袋(かさぶくろ)、下駄袋(げたぶくろ)の類(たぐい)は本馬一駄乗りにかぎり貫目外の小付(こづけ)とすることを許されていた。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)